Apple: Lecture notes in Psychohistory:心理歴史学の講義ノート
今日のエントリでは、この軽くて、薄くて、美しくて、操作性が良くて、十分な性能があって、バッテリの持ちが良くて、それでいて手頃な価格のこのデバイスを、ビジネス分野においてもっともっと有効に、かつ簡単に活用する方法について紹介する。具体的には、いわゆる「業務アプリ」の分野で、iPadを活用する方法について書いてみたい。
【そもそも「業務アプリ」って何?】
「業務アプリケーション」とか、それを略した「業務アプリ」とか言う用語は、日本のIT業界で働いていれば必ず耳にする ほどよく使われる用語だ。ところが改めて調べてみると、正確な定義がどうも定まっていないらいしい。Googleで「業務アプリケーション」と検索しても、その定義を明確に説明しているページはなかなか見つからない。(もしご存知のかたがいたら、是非コメント欄かメールにて教えてください)
ちなみに、「業務アプリケーション」のGoogle検索でトップに表示される(2012年2月5日現在)のは、こちらのブラックユーモアたっぷりのページである。鋭く本質を捉えているので、是非ごらんあれ。
さて、私が理解している範囲で「業務アプリケーション」とは、"特定企業"の"特定業務"での用途(例えば「コンビニエンスストアの在庫管理用途」)のために個別開発されたアプリケーションのことである。反対の意味を持つのが「パッケージアプリケーション」で、これは例えば勘定奉行などのように、広く一般に売られているアプリケーションのことを言う。世の中には、特定企業での利用だけのために個別に開発された「業務アプリ」が、おそらく国内だけでも何千種類もあるのではないかと思えるくらいた� ��さんあるのだ。
「業務アプリ」には興味深い特徴もいくつかあって、外見的な特徴として、普通に売られているパッケージアプリケーションとはかなり趣が異なるGUIを持っている。典型例が下図だ。
たいていはVisual Basicを使って造られており、開発コストを抑えることと、ユーザ操作を単純なものにすることを狙って、凝ったGUIは使われず、「大きな字の書かれた大きなボタンによる操作」が好まれてよく使われている。
また、これもパッケージアプリケーションとは違って、「汎用性」はあまり考慮されていない。そのため、「Windows XPでは問題なく動作するが、Windows 7 だと問題が出る」と言うようなことがしばしば起こり、Windows OSのライフサイクルに担当者は悩まされることになる。
【業務アプリでのiPad利用の可能性】
さて、こんな「業務アプリ」であるが、携帯性と操作性を両立させたiPadのようなデバイスとの相性が良い業務は、相当数ありそうだ。すぐに思いつくのが在庫管理業務であるし、こちらのページでは、業務アプリにiPadを活用した「成功事例」が、多数紹介されている。
ところが、実際に「業務アプリ」でiPadを使うには、かなりの難題を克服する必要がある。
まず第一に、現在使われているほとんどの「業務アプリ」は、Visual Basicで造られたWindowsアプリケーションであり、当たり前と言えば当たり前だが、そのままではiPadでは動かせない。普通に考えれば、iPadを利用するためには、アプリケーション自体を作り直す必要があるが、これはほとんどの企業にとっては不可能に近い話だ。Windows XP からWindows 7への変更でさえ、多くの企業が四苦八苦しているのが現状であるのに、iPadのような根本的に異なるアーキテクチャのプラットフォームへの移行など、想像だにできないだろう。
仮に百歩譲って、ある企業がiPad用の業務アプリケーションの開発を決断したとしても、それは平坦な道のりではない。iPhone/iPadアプリケーションを造れるプログラマの絶対数は、まだまだWindowsプログラマの数には遠く及ばないはずで、開発を請け負ってくれる業者のほうも需要予測ができずに手探りの状況らしい。
【解決策:Citrix Receiver】
別にiPad用のアプリをわざわざ開発しなくても、今のVisual Basicで作ったWindowsアプリケーションのままで、「端末デバイス」としてのiPadは十分に利用可能だ。それを示すのが、下記の動画デモ。
これを使えば、「Windows XPで動作するアプリケーション」であれば、今すぐにでもiPadを端末デバイスとして利用可能だ。
技術的なバックグラウンドについては、次回のエントリにて。
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